ドクターズファイルに馬場院長が掲載されました。
帯状疱疹(たいじょう ほうしん)
水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって生じます。
このウイルスに初めてかかると(初感染。ほとんどの場合子供の頃です。)水痘(水ぼうそう)になります。水ぼうそうが治っても、ウイルスは神経節という部位に隠れて潜伏するため、体内から消えることはありません。
過労、体力低下、加齢などで抵抗力が落ちた時に、再び暴れ出して(再活性化して)発症するのが帯状疱疹です。ウイルスは隠れていた神経節の神経に沿って、神経を攻撃しながら皮膚に達するので、通常は片側にだけに症状が出現します。攻撃された神経では疼痛や知覚異常が生じ、その神経領域の皮膚には赤み、紅色丘疹、水疱が帯状に出現します。
治療は?
ウイルスが増殖することでおこる重症化と急性期の疼痛を最小限に抑えるために、また、帯状疱疹後神経痛の発生の予防のために、抗ヘルペスウイルス薬による治療をできるだけ早くに開始することが有効です。
抗ヘルペスウイルス薬による治療は、入院して抗ヘルペスウイルス薬の点滴による治療が必要な重症例を除いて、抗ヘルペスウイルス薬の内服となります。痛みのコントロールのために、アセトアミノフェン、弱オピオイド、非ステロイド系抗炎症剤の内服を併用します。細菌の二次感染が考えられれば化膿止めの軟膏、潰瘍化してしまったものに潰瘍治療薬が使用されます。
痛みは冷やすと悪化する場合がありますので、注意しましょう。また、水ぼうそうにかかったことのない人には、帯状疱疹としてではなく、水ぼうそうとしてうつることがありますので、小さな子供との接触には注意します。
痛くてがまんできない、あるいは皮膚の症状が消えても痛みが残っている場合は、ご相談下さい。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹とは水痘・帯状疱疹ウイルスで引きおこる皮膚炎です。
過去に水ぼうそうにかかったことがある方でも「加齢」「疲労」「ストレス」などで水痘・帯状疱疹ウイルスに対しての免疫低下により発症します。
50歳以上を対象として発症や重症化を防ぐ目的で予防接種をおすすめしております。
当院では帯状疱疹に適応のあるワクチンを2種類取り扱っております。
弱毒生水痘ワクチン(ビケン)
種類 生ワクチン
接種回数 1回接種
帯状疱疹発症抑制効果 50~60%
持続期間 5年程度
6,000円 |
サブユニットワクチン(シングリックス)
種類 不活化ワクチン
接種回数 2回接種(1回目接種後2か月あける)
帯状疱疹発症抑制効果 90%以上
持続期間 9年以上
22000円/1回 |