ドクターズファイルに馬場院長が掲載されました。
ほくろ
黒っぽい色をした数mm程度の小さな皮膚病変のことをさします。ごくありふれた病変で、体中どこでもみられます。
大部分は色素細胞母斑と呼ばれるもので、これは、メラニン色素を作る力のある色素細胞という細胞が皮膚で増えることでできます。子供の頃によくできますが、大人になって生じることもあります。色や形は、できた部位や年齢によって異なります。
ほくろに似た他の皮膚病
悪性黒色腫(メラノーマ)は色素細胞が癌化したもので、とても悪性度が高く、怖い皮膚癌です。ほくろがメラノーマになる危険性があるとよく言われますが、実はメラノーマの多くはほくろと無関係に起こります。生まれつき見られる大きなほくろからはメラノーマが生じることはありますが、通常の小型のほくろがメラノーマになる危険性は低いので、心配する必要はありません。ただし、メラノーマの始まりがほくろと似ている場合がありますので、注意は必要です。
老人性の良性のいぼ(脂漏性角化症)や基底細胞癌もほくろと似たような外観となることがあります。
検査と治療は?
ダーマスコピーは、乱反射を防止したうえで病変部に光を当て10倍に拡大した像を観察する検査法です。ほくろ、メラノーマ、脂漏性角化症、基底細胞癌などの色のついた皮膚病変の確定診断に役立ちます。日本人のメラノーマは足の裏に多く発生しますが、足の裏にはほくろもよく見られるため、区別する必要があります。ダーマスコピーによる観察は両者の区別に役立ちます。
ほくろの治療には、局所麻酔で切除する方法と炭酸ガスレーザーで治療する方法とがあります。切除した場合は、顕微鏡で組織を検討し(病理組織検査)、診断を確定します。